江藤光紀さん(音楽評論家)が 11月8日の清水邦子さんとのコンサート『武満を歌う』を絶賛!

音楽の情報Web Site <Classic News> http://classicnews.jp/c-news/index.html の 『東京音楽通信』のコーナーNo.170(11月26日発行)で、江藤光紀さん(音楽評論家)が 11月8日の清水邦子さんとのコンサート『武満徹をうたう』のことを書いてくださっています。

なんだか、とてもうれしいのですけど!!

以下、転載させていただきます。

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ジャズ色の武満ソング

清水邦子(メゾ) 高田ひろ子(ピアノ) 武満徹をうたう ―― 合唱や歌もののコンサートにいくと、ちょっとしたアクセントやアンコールピースとして武満のポピュラー・ソングをよく耳にします。でも、この日はジャズピアニストをフィーチャーして、武満ソングだけでプログラミング。アングラな会場やアップライト・ピアノのひなびた感じも雰囲気たっぷりです(11月8日、ザムザ阿佐ヶ谷)。

武満の歌曲はクラシカルなオン・ビートの視点で見ると、フレージングに字余りや字足らずなところがあって、よく言うと個性的で、ちょっとひねってある感じがする。でも、今回のようにピアノが絶えず即興でスィングしていると、フレージングの違和感のようなものがすっきり消えてしまうんですね。ちょっとした驚きでした。

これはピアノの高田ひろ子の生き生きとしたパフォーマンスが開いてくれたパースペクティヴだったように思います。彼女はこの日、「雨の樹素描Ⅱ」も演奏しました。これはメシアンを追悼して書かれたもので、だから現代音楽のスペシャリストたちはここにメシアン的な音響空間を見いだそうとするし、リスナーもそういうものだと思って聴いている。しかし、ジャズピアニストが弾くと、これが全くジャズにか聞こえない。この曲の真ん中にジャズっぽいコードがでてくるんだけど、こういうところも狙いを定めるかのようにぞくっと弾いてみせる。

武満がジャズ好きという事実は有名なのに、それが実作と深く結びついていることは意識してこなかった。それがこの日のうれしい発見。 <江藤光紀>

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『違和感のようなものがすっきり消えてしまう・・・』とか、『(雨の樹が)全くジャズにしか聞こえない』なんて、最高のほめ言葉で、私は天に昇ってしまう!
ありがとうございます!江藤さん。

そもそも、映画監督の水谷俊之さんが、清水さんと私を組み合わせたらどうだろう、と思いついてくれました。私たちは畑違いで、なかなか知り合う機会もなかったろうと思います。

そもそものそもそも、水谷俊之監督は自作の映画の何本かに 澄純子(vo)さんを音楽監督として迎えていました。その中の数本は私も加わり、水谷監督と知り合うことになりました。(なかなか面白い経験でした)

その後、東北の大震災が起き、なにか私にも出来ないかとにじにじした思いのなか、澄さんが計画した<石巻うたい隊>に私を誘いってくれました。2回目から、水谷監督も、『その様子を記録しておきたい』と同行することになりました。東北の悲惨な爪あとを一緒に見、感じ、話をしました。

そして今年の初め、『清水邦子さんというすばらしいオペラ歌手の方がいるんだけど、武満をうたい始めている。でもクラシックの中だけで武満をやると、なんか違う。ひろ子ちゃんやってみない?』とお誘いを受けたのでした。

武満徹の作品は、10数年前、やはりメゾソプラノの地引憲子さんと数回コンサートを行ったことがありました。そのときは、地引さん自身がアレンジをした譜面があり、自由に弾いてとおっしゃっていましたが、その確固たるイメージを私はいじりようがなかった。地引さんもすばらしい歌手です。でも、譜面があるために、私がジャズピアニストであることを生かせなかった。今となると残念なことです。

今回は、武満さんの歌曲はピアノ伴奏譜も出版されているので、それを見ながら弾いたり、いろいろやってみて、譜面を見ながら<自由に>というのは、とても不自然であること、思い知りました。最低限の決まりごとがあるだけ、というジャズの自由さは、すごい!
<譜面どおりに弾かない>と意識をしなければならないなんて、<良い音楽にする>ことが目的の演奏家にとって本末転倒ですから。

武満さん自身も言っています。言葉は違うかもしれませんが、『自分のイメージを具体的に譜面に表せば表すほど、自分のイメージから遠ざかる・・』 ということ。

とても良く分かる。

「雨の樹素描Ⅱ」の譜面からも、それを感じます。具体的に書くのはここまでにしよう、という武満さん自身の、自制した意思を感じます。あるいは、イメージを表すためにどうしよう、と思案した結果のたとえば5連符だったり。一拍を五つに割れ、という意味ではなく、その記譜法の不自由さにもどかしさを感じている感じ、すごくします。

あー、楽しかった。

それもこれも、清水さんが素晴らしかったからなのです。
初日、クラシックの方にジャズの流動的で感覚的なやり方が、どう通じるか、不安でした。清水邦子さんは、エレガントなのに、さばさばしていて、かっこ良く、初めてのリハで、すっかり意気投合してしまいました。
清水さんは感性に加えて、やわらかさと瞬発力も兼ね備えていて、びっくり!くっと捕まえてすっと乗ってくれます。聞くと、陸上短距離や走り高跳びの選手だったと!なるほど、納得!

また清水さんはとても歌詞を大事に歌われるので、その歌詞のイメージがピアニストにも伝わってきます。私は音に集中していますが、音として歌を聴いていると、その音色に現れるので、そのイメージを汲み取ることが出来ます。
二人が未知の楽曲に、同時に取り組み、<共同作業をしている>という実感がとてもありました。

今後も、清水さんとのコラボ、続けたいと思います。
まだ、はじめたばかり、という感じ。
どんどん深まる予感がします。










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