島薗 進さん(宗教学者・東大文学部教授)/2012年10月19日 毎日新聞・特集ワイド<原発の呪縛>

島薗 進さん(宗教学者・東大文学部教授)/2012年10月19日毎日新聞・特集ワイド<原発の呪縛>よりまとめ
   毎日jp: http://mainichi.jp/feature/news/20121019dde012040010000c4.html

 昨年6月、東大柏キャンパスの空間線量が0.38~0.50マイクロシーベルトで低い線量といえないのに、本部が大学掲示サイトで「健康に何ら問題ない」と発表。それに反発し同僚3人と声明を出し約70人の教員を動かし、本部に発表を取り下げさせた。
 
 20世紀後半、環境破壊や都市の貧困が目立つようになった時、カルト的な宗教や精神世界へ人々が向かったのは―
 ・・・『近代合理主義こそが全であるという信念が、広い層の人々によって疑われるようになったから』

 原発事故後の社会変化がぴたっと重なる。
 ・・・『色んな枠組みが崩れてきているのは確かです。自民党の支持母体だったJAグループ(農協)や宗教界が脱原発を打ち出し、かつての左右・体制反体制と違うところで行動する組織・個人が増えている』
 今年7月、大飯原発の再稼動反対の新宿でも右翼の街宣車が横付けし「右翼だけど脱原発」と書いたプラカードを見せ走り去った。
 ・・・『原発問題は左右で区別できなくなった。生活基盤が壊されることへの反発、<いのち対カネ>どちらを取るかみたいな発想が行き渡っていますね』


 当然、反動もある。
 ・・・『社会秩序の揺らぎに対し、尖閣問題などで愛国心、ナショナリズムを盛り立てるキナ臭い動きがある自民党支持率が上がっているのを見ると、脱原発に対する巻き返しは無視できない

 日本の原発事故に欧州諸国は即座に反応し、いくつかの国は脱原発を決めた。震災の時、たまたまイタリアにいた島薗さんは、敏感に反応したイタリア人が『大好きになった』という。
 ・・・『イタリア・スイス・オーストリア・ドイツ・ベルギー・スウェーデンなど、キリスト教会の精神的影響が強い国が脱原発の道を進んでいる。こうした国々はもともとエコロジー感覚が強い。植民地主義で自然を支配し領土を広げてきた英米仏やロシアなどの核を持つ安保理事国と、対する北中南欧の国々が違う方向を向いている印象がある

 また、欧州はチェルノブイリ原発事故を身近で経験したのが大きい。
 ・・・『子供の甲状腺がんの軽視など、科学者の情報隠蔽や政治のうそを目の当たりにしてきたからこそ、自分達で決める道を選んだ

 科学への不信感は大学一年のときに遡る。島薗さんは医師になるため猛勉強し、東大に受かった。
 ・・・『金沢大付属高時代、自分の道を考える前に競争に乗った。現在の経済にも似て、目的を定める前に競争に勝たねばならない。そこに疑問を感じていた』
 大学に入った67年、医学部の闘争が始まる。
 ・・・『先輩達の闘争を見ていて、医学部の権威主義、ごまかしを知った。命を守る学問という姿勢が欠けているように見えた』

 原発をどう見るかは<倫理の問題が関わる>と島薗さん。
 ・・・『人の命を脅かす可能性がある技術を経済的利益があるからと肯定したり、被害を軽く見ざるを得なくなるからです。現に、真実を隠しゆがめることに科学は関わってきた。どういう社会を望むかも倫理の問題。経済優先か、自然をむさぼらない暮らし方を求めるかより幸せな生活のあり方は何かという価値観を問うのも倫理的な問いですね』


*****

全く同感だ。

自らの利益・権威におぼれた学者や政治家・官僚達が、『青臭い』とか『非現実的だ』と言い放つ。
しかし、どうしても明らかなのは、<いのち>があってのものだということ。

JAが脱原発を宣言したのも、農業はいのちと直接繋がっている大事な産業であるからだ。命より大事なものがあろうはずがないことに、土に触れば分かる。

小出さんや島薗さんのような、まともな学者の言葉に、市民はきちんと耳を傾けなければいけないと思う。

もう絶対に、原子力を推進するような政府に戻ってはならない。
絶対に!


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